傘の名前
現在、ツイッターで新作の傘のネックレスの名前を投票で決めています。
良ければこちらでご参加ください。→twitter
10日(今日)の20時まで受け付けています。
候補は2つ。
1.Miss umbrella(ミスアンブレラ)→RT
2.paraplu(パラプル)→ファボ
以前粉雪ラブレターのときはリプ投票にしたのですが、
もっと気軽に参加してもらえないかなぁと思いRTとファボに分けました。
もしかしたらRTはしづらかったかなぁとか、
文を読まずに写真をお気に入りに登録して下さった方もいるのかもという
懸念はあるのですが、それでも多くの方にご覧頂けて結果が出ると思うので、
どちらになっても、楽しみです。
少しだけ、この2つにした思いを書きますね。
1.Miss umbrella
もともと「○○アンブレラ」にしようとしていろいろ考えました。
とまどいアンブレラ、とか、さめざめアンブレラ、とか、あざ花アンブレラとか。
わたしは日本語+英語っていうのが好きみたいです。
(キラメラもそうですし。メランコリンは造語だけど。)
でも、どうもしっくりこなくて、この投票直前に思いついたのが
「Miss umbrella」でした。
この傘はキャッチフレーズから先に決まっていたのですが、
頭の中で、歌詞のようなものが流れたんです。
「Miss umbrella
心まで 濡れないで」
Missには女性という意味もありますが、なくすという意味もあります。
ああ、○○アンブレラはこれだな、と思いました。
でも、ひとつ、ひっかかることもありました。
略すのが難しいということです。
わたしの作品は、ブランド名も含めて長いことが多いので、
みなさんが略して言ってくれてさらに愛着がわく、というのを
ここまで繰り返してきたので、それが思い浮かばなかったのでした。
2.paraplu
パラプルはオランダ語で「雨傘」という意味です。
アンブレラにつまってほかの言語で検索してみたところ、
この言葉を見つけました。
パラ、というのが守る、プルというのが雨、だそうです。
英語で日傘を意味するパラソルはソルの部分が太陽だったかな。
普段ならMiss umbrellaで決めていたところ、
どうしてパラプルと悩んだか正直に言うと、
糸井重里さんのコラムと読んだからでした。
そのコラムがこちら→「名前をつけるということ」
わたしはこれまで、名前をつけるときに、
意味をとても大事にしてきたけれど、音はどうだったろう。
誰かが言葉にしたとき、
楽しくなるような、何度でも言いたくなるような、
そんな「名前」。
パラプルは自分で声に出してみて、
気持ちが軽やかになりました。
パラパラ振る、雨のようにも思えたし、
カラフルと似た音は、色とりどりの傘が浮かびました。
作品の名前ぐらいちゃんと自分で決めなさいと
思う方もいるかもしれません。ごもっともです。
ただわたしはせつなさを大事にしているけれど、
ひとりよがりにはなっていないかなという不安が
いつもどこかにあって、みんなの声が聞きたくなっちゃうんです。
わたしの作品を愛してくれる人はもちろん、
初めて知った方にも意味わからんけどなんかいい、と
思ってもらえたら、うれしいなって。
だから・・・いつもうまく言えないな。
うん。本当に、ありがとう。
最後に、わたしの大切なお客様のひとり、
ゆりちゃんがMiss umbrellaという名前からイメージして、
物語を作ってくれました。とっても心温まる、素敵なお話です。
ぜひみんなに読んでもらいたくて、許可を頂いたので
転載します。
ゆりちゃん、ありがとう。
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これは、とあるおじいさんと傘のお話です*
おじいさんは、雨の降る日に見かける少しだけ歳下であろう女性を、
雨の日の今日も見かけました。
その女性の顔は見たことがありません。しかし、雨の日の度に見かける傘が毎度と違うのでした。
見えそうで見えない女性の顔。
どんな表情を今日は浮かべているのだろうか。
おじいさんは雨の日の決まった散歩道で見かけるその女性が知らず知らずと気になっていたのです。
それは、恋や恋愛といったものの対象ではなく、どちらかと言うならば
「美しい」の一言でした。
おじいさんの住んでいる場所は比較的この時季は2日3日には雨が降る場所でした。
今日もいつもの場所へと赴く。
いつもの場所にいるその女性。
おじいさんは、ミスアンブレラと心の中で呼んでいたのです。
ミスアンブレラ。
今日はピンクの中に淡い黄色が混じったような色の傘をしている。
おじいさんは感じた。
今日の彼女はとてもハッピーなんだろうと。その表情が見えなくとも、彼女の傘を見れば一目瞭然なのだ。
雨が来る日も来る日も、
その度におじいさんはミスアンブレラに会いに行った。彼女はおじいさんの存在を知っているのかは分からない。しかし雨が降る度、どこか不思議な雰囲気を纏う彼女が気になって仕方がないのだ。
彼女の表情が見えなくとも、
彼女の傘を見ればどんな表情を浮かべているのか、どんな気持ちなのか分かってしまう。
しかし、時は流れ、
雨の季節も終わりに近づくと、
雨の降ることも少なくなった。
勿論、彼女を見かけることも少なくなった。
雨の降る日にしか出会えない彼女は、今はどこで何をしているのだろうか。
そうして、おじいさんにとって最後に見かけたミスアンブレラの傘は言葉にするのが難しいのだけれど、
それはそれは、今まで見た中で1番に美しかった。傘の模様も、彼女も。
この日を最後に雨の時季は去り、
彼女を見かけることもなくなった。
おじいさんは思った。
この短い間に見かけた彼女は、わたしが思い描いた幻ではなかったのだろうかと。
それが、幻だったかどうかはおじいさんしか知らない真実。
それから、おじいさんは
またいつしか、あの人に会えるようにという願いを裏に、雨の日でも晴れやかな気持ちになれるような傘を作り始めた。雨の日は何故だか心も顔も下を向いてしまいがちだ。
そんな気持ちを、
取り払ってくれるような素敵な傘を届けたいと傘を作り始めた。
そう、その名も
ミスブレラ。
おじいさんの作った傘を手にした人は、その傘の下では眩しい笑顔をしているという。
ミスアンブレラ。
きっと、それはおじいさんだけが知る特別な雨の魔法*
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わたしもそんな傘を作りたいな。
ネックレスにしたのは、
涙が落ちたとき、心まで濡れないようにと思ったからでした。
今日もみなさんが前を向ける1日になりますように。