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女に生まれて


女に生まれてよかったと思うことは、

女の子に、気軽に、「大好き」と言えること。

そして、社交辞令であっても「わたしも」と返してもらえること。

私が男だったらそうはいかないだろう。

昔付き合っていた人に

「君は恋愛はすぐ壊れるもので、友情は続くものを思っているけれど、

それは違うと思う。」

と言われた。

そんなことは百も承知だったけれど、彼はあの時

どういう意味でそんなこと言ったのかなぁとぼんやり考える。

彼とは友達という関係に戻れたわけではないが、

もし戻れていたとしても、

「大好き」とはもう二度と言えなかっただろう。

だから友達のまま「大好き」と言える女の友情は、

私にとって恋愛よりも奥深く、且つあけすけで、 とても大切なものなのだ。

きっと

「来るもの拒まず、去る者追わず」が

大人のコミュニケーションにおいて基本的なルール。

そうはわかっていても、女の子たちは猫のように

いろんな世界を見に行ってしまう。

犬のように鎖につないでおくことはできない。

そのことが時々とても寂しい。

だからずっと家を空けてあたためて待っていたけれど、

気づいたら私も女。

待つのはやめて、自由に幸せに

過ごそうと思うの。

*

わたしは、どんどんたくましくなって、

今までとまるで違う価値観を、

最近立て続けに手に入れた。

というよりは、たくさん集めたピースがはまったって感じかな。

これまで培ってきたものをきちんと小脇に抱えたまま、

折り返し。バージョンアップの30代を過ごします。

幸せそうな、自分、じゃなくて

本当に幸せな自分を取り戻す。

わたしは、わたしのライトハウスキーパーになる。

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